ある地域包括支援センターの職員さんから下記のメール相談がありました。
「包括で支援している方の飼い猫についての相談です。
その方は独居で借家に住んでいます。認知症の症状が進み、一人で暮らしていく事が困難となり、今月中旬に特別養護老人ホームに入所することになりました。飼い猫が1匹います。施設へはペットを連れていく事ができません。他に引き取って頂ける方が見つからず困っています。
区の保健福祉センターへも相談しましたが、区の引取りは基本的には殺処分であると聞きました。それだけは避けたいと思い相談させていただきました。他に何か方法はあるでしょうか?最善は尽くしたいです。」
このメールに対し、下記の返信をしました。
・・・
〇〇様
お問い合わせいただきありがとうございます。対象の猫さんの
①写真(なるべく可愛いもの)
②性別
③不妊手術の有無
④年齢(分かる範囲で)
⑤性格(人なつっこい、触れない、など)
⑥持病、かかりつけの動物病院(あれば分かる範囲で)
⑦名前
をA4用紙1枚にまとめて猫さんのプロフィールを作成していただくことは可能ですか?
ボランティア団体さんに相談する際に情報がまとまっているだけで対応してもらえる率がかなり上がります。
猫さんのプロフィールを元に、片っ端から保護猫の譲渡活動をしているボランティア団体さんに相談してみてください。
また、猫さんのプロフィール、できたら私にも送って下さい。
・・・・
と送りました。
福祉の職員さんから、飼い猫さんの引取り相談を受ける場合、ほとんどのケースで飼い主さんの状況や情報はメールに沢山入っているものの、肝心の猫さんの情報が全くありません。
飼えなくなった猫さんの引取りをする可能性があるボランティア団体側からすると、ほしい情報は飼い主さんよりも、猫さん自身の情報です。
初回の相談時に猫さんの情報がきちんとまとまったプロフィールがあれば、自分のところで対応可能なのタイプの猫さんなのかどうかすぐに検討することができます。
今回はすぐに担当の方が下記のプロフィールを作成し送ってくださいました。

性格の部分は情報が乏しかったので、追加でヒアリングをしたところ、担当のワーカーさんが家庭訪問をしてもウロウロと出歩けるくらい人馴れしているということが分かりました。
ちょうど「年齢は問わないので、人馴れしているメス猫が居たら里親になりたい。」と言ってくださっていた里親希望者さんの条件と一致したので、事情とプロフィールを送って打診したところ、先住猫が居るため、猫白血病が陰性であれば引取りOKとの返信をくださいました。
そこで、飼い主さんが入所した後日に担当のワーカーさん立ち合いのもと猫さんを保護しました。

飼い主さんが居ないことや異様な空気を察知したのか、室内を逃げ回ってしまいましたが、無事保護することができまいた。
そのまま動物病院へ連れていき、・本当に避妊手術が終わっているのか、・エイズ白血病のウイルス検査、・検便、・駆虫、・爪切り、・3種混合ワクチン、を実施してもらいました。

医療費の実費(9,680円)のみ飼い主さんにご負担いただくことになりました。

診察の翌日、里親さんの元へ届けました。
初日からご飯をよく食べ、撫でるとゴロゴロしてくれたそうです。
今回のように、タイミングよくバトンがつながるケースはごく稀です。
通常引取り依頼には、ほぼ対応することができません。
それでも少しでも可能性を上げるためには、「相談の際には猫プロフィールを作る」ということが広がるといいなと思い詳しく掲載しました。